【新唐人2014年8月12日】西アフリカ諸国がエボラ出血熱で苦しみ、東ウクライナの人々が一触即発の戦争危機を危惧する中、中国大陸の官界でも多くの人が、いつか当局に叩かれるのではないかと脅えています。中国では現在、興味深い現象が現れています。周永康前政治局常務委員が正式に捜査・立件された後、各地の共産党委員会が相次いで当局の決定を支持する考えを示し、周永康から距離を取り始めています。まずは映像をご覧下さい。
8月6日、官製メディア「人民網」は「18の省の党機関紙が第一面で周永康に対する中央の捜査・立件を支持すると立場表明をした」との文章を掲載しました。習近平当局の決定を支持すると表明した省は陝西、貴州、安徽、山西、河南、海南、河北、湖南、湖北、雲南、四川、吉林、チベット自治区、黒竜江、甘粛、遼寧、広西チワン族自治区および江蘇省。
当時、態度をまだ表明しなかったのは、北京、天津、上海、重慶の4つの直轄市および、広東、新疆、内モンゴル、浙江、福建、江西、山東、青海、寧夏の9つの省でした。
「人民網」の文章には、「更新中」という下見出しが加えられており、これまでの態度表明ブームではかつて見られなかったことでした。
その後すぐ、4大直轄市の表明が出されました。8月6日夜、上海は率先して中央政府の周永康処分を支持するとメディアで表明。7日、重慶、北京、天津も後に続きました。
一方、周永康の捜査が発表される前、当局による大きな動きがありました。7月の中下旬、北京当局は立て続けに陸海空3軍による大規模軍事演習を行うと発表しました。この影響で、中国各地の空港ではフライトの欠航や大幅遅延が相次ぎました。7月29日になって、周永康摘発が公に発表されてようやく、北京当局の高密度な軍事演習の謎が解かれました。
今回の大規模軍事演習は、習近平陣営が江沢民のような内部の政治勢力を威嚇するためであるとの分析もありました。
周永康の捜査・立件が29日に発表された後、官製メディア「人民網」はすぐ評論文を掲載し、周永康の捜査は反腐敗キャンペーンのワンステップに過ぎず、決してピリオドではないと強調しました。しかし、この評論は数時間後に削除されました。
報道では、「周永康の捜査は反腐敗のピリオドではない」という言葉は、習近平主席が近日の政治局会議において話した言葉であると伝えました。「人民網」のこの報道によって党内部に激震が走り、最終的に劉雲山の指示で削除されました。
これまでの多くの報道では、周永康事件は10月に開かれる第18期中央委員会第4回総会(4中全会)で正式発表されると言われていましたが、前倒しで発表されています。
7月中旬、習近平主席が南米4か国を訪問していたとき、中国大陸では突然江沢民派の常務委員、劉雲山による「逆風」が吹き荒れました。官製メディアはアメリカをはじめとする西側諸国の価値観を攻撃する文章を何度も掲載し、習近平主席が非難の的になりました。
習近平当局への支持表明をした最初のリストの中に、上海市はありませんでした。上海を単独で取り上げるのは、周知のとおり、上海は江沢民の古巣だからです。
一方、上海市委員会の韓正書記は7月30日午前、市共産党委員会常務委員会を開催し、周永康処分に関する通告を伝えました。しかしこの事が上海のメディアに報道されたのは、8月6日の夜でした。新聞記事になったのは、「人民網」に叩かれた後の8月7日でした。
8月7日。この日は特別な日でした。まず、周永康の配下で四川省の大物財界人であった劉漢がこの日、最終公判で死刑判決を受けました。もう1つ、江沢民一派の「目の上のたんこぶ」だった人権派弁護士、高智晟氏がこの日、釈放されました。
どうであれ、人々の目の前にある事実は、中央紀律検査委員会巡視チームがすでに江沢民の古巣、上海に乗り込み、無形の剣が江沢民の喉元を狙っていることです。習近平や王岐山が望むか否かに関らず、最後の大トラを退治しなければ、常に反撃の危険に晒され、中共の体制下では、最終的にトラの群れにかみ殺されてしまうのです。
つまり、最後の「大トラ」がまだ退治されていないかぎり、勝負はついておらず、習近平当局は気を緩める事ができないばかりでなく、戦いはさらに激烈になり、江沢民一派は必死で反撃を行うことが予想されています。
では、トラに咬まれないようにトラを叩くには、どのようにすればよいのでしょうか。言い換えれば、江沢民一派を徹底的に粛清するために、習近平当局はどうするべきなのでしょうか。多くの中国問題専門家は、江沢民一派の急所を押さえるだけで、とても容易い事だと指摘します。つまり、周永康事件の法輪功に対する迫害や臓器狩りなどの人道に対する罪を公表さえすれば、江沢民一派が反撃できなくなるということです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/08/10/a1129455.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/萩野 映像編集/李)